座頭市シリーズ

女と博奕と居合斬り
盲目の座頭市はさすらいの旅を行く。
やくざの世界を渡り
行く先々で抜いた仕込み杖。


勝新太郎の人気を決定づけた大ロング・シリーズで、1962〜1989年まで全26本が製作された。子母沢寛の随筆集『ふところ手帖』に収められたほんの数ページ記されていた、盲人で居合い抜きの名人やくざの座頭の市の話をもとに、ツボ振りも居合い抜きも目明き以上で女好きという、ヒーロー然というよりもアウトローに近いキャラクターを設定。
第1作〜第3作までは、まだアウトロー然としていた座頭市の出生に関する様々なしがらみが描かれる。
第4作以降は正式なシリーズとなり、座頭市が逗留する宿場の悪親分や悪代官をやっつけ、最後に大物スター(三船敏郎、仲代達矢、近衛十四郎、天知茂など〉が扮した用心棒と対決するというパターンができ上がった。
異色作としては社会派の巨匠・山本薩夫が監督した「座頭市牢破り」、郎用心棒が対決する「座頭市と用心棒」、中国の唐人剣と対決する「新座頭市・破れ!唐人剣」がある。なお25作目以降は勝プロ製作のTVシーズが作られ、1989年には16年ぶりにスクリ−ンに復活した。



シリーズ第1作
座頭市物語
昭和37年(1962年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:三隅研次  
脚本:犬塚 稔
撮影:牧浦地志 
音楽:伊福部昭
美術:内藤 昭

出演:勝新太郎・天知茂・万里昌代
    島田竜三・柳永二郎・毛利郁子
    三田村元・真城千都世
ツボ振りでも居合い抜きでも目明きの及ばぬすご腕の座頭市は、飯岡助五郎(柳永二郎)の客分となる。市は釣りで知り合った肺病やみの浪人・平手造酒(天知茂)に友情を感じるが、平手は助五郎と犬猿の中の笹川繁造(島田竜三)の食客であった。やがて運命の糸は市と平手を対決に導く……。
のちにはスーパーマンになってしまう座頭市だが、この作品では冒頭、市が丸木橋をヘツピリ腰で渡るシーンに代表されるように、盲目という致命的なハンデが随所に示され、市の世をすねて生きているアウトロ牲を強調。三隅研次の淡々とした中にもメリハリの利いた演出が、見事に成功した。座頭市に扮した勝新太郎の好演はいうまでもないが、それ以上に素晴らしいのが平手造酒を演じる天知茂で、新東宝時代に養ってきたニヒルな持ち味を十二分に発揮した名演技であった。

        
              (ぴあシネマクラブ日本映画編2002〜2003より) 
このシリーズ第一作には古典的な股旅ものの味があり、渋く、わぴしく旅の哀傷が豊かである。
下総の飯岡助五郎親分のところヘワラジをぬいだ座頭市(勝新太郎)という男は、盲目で按摩を本職とするが、バクチもやり、居合い抜きは達人である。ある日、彼は、平手造酒(天知茂)という浪人と知り合う。平手造酒は、飯岡助五郎と対立する親分笹川繁造のところで世話になっている肺病やみの剣客である。二人は互いに相手の腕前が相当のものであることを見ぬいて、二人の間には友情めいた気持すら生じてくる。
しかし、飯岡対笹川の争いはのっぴきならないところまで行ってしまう。笹川繁造は子分たちに座頭市を暗殺させようとするが逆に子分たちを斬られる。飯岡助五郎は平手造酒が血を吐いて倒れたと知って一気に笹川を打倒しょうとする。平手造酒は、笹川が座頭市を飛道具で殺そうとするのを制して、俺が市を斬ると言う。せめてもの友情である。
飯岡対笹川の大利根の決闘の日、たがいに用心棒の筆頭として座頭市と平手造酒は斬りまくる。そしてさいごに二人の決闘となって座頭市は勝つ。しかし、座頭市の心は空しい。彼はまた、行方も知れない旅に出かけてゆく。

この第一作は、もちろん勝新太郎の座頭市も良かったが、斬られて死ぬ天知茂の平手造酒も良く、やくざ稼業の空しさが、利根の川面を吹きすさぶ空っ風のように、見る者の心の中も吹き抜けていったものだった。
第二作以後はアクロバット的な立回りの工夫が大きなウェイトを占め、かなりどぎついチャンバラ映画になる。監督も、三隅研次をはじめ田中徳三、森一生、池広一夫、安田公義などが入れかわり立ちかわり担当し、やがては勝新太郎自身も監督にのり出した。

                          (佐藤忠男著 「日本映画300」(朝日文庫) より)


シリーズ第2作
続・座頭市物語
昭和37年(1962年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:森一生 
脚本:犬塚稔
撮影:本多省三 
音楽:斎藤一郎

出演:勝新太郎・水谷良重・万里昌代
    城健三朗・中村豊・沢村宗之助
市がまだ盲目になる前に、ひとりの女をめぐって争った実兄・与四郎が、凶状持ちの浪人となって市の前に現れる……。
市の実兄の浪人を勝新太郎の実兄である城健三朗(のちの若山富三郎)が好演。

シリーズ第3作
新・座頭市物語
昭和38年(1963年) 大映京都
原作:子母沢寛
監督:田中徳三 
脚本:犬塚稔・梅林貴久生 
撮影:牧浦地志 
音楽:伊福部昭                 

出演:勝新太郎・坪内ミキ子・真城千都世
    近藤美恵子・河津清三郎
故郷に帰った市は、剣の師匠である弥十郎の妹・弥生と結婚しようとするが、弥十郎は許さない。金に目がくらみ悪の道に走った弥十郎に、市は捨て身の一撃を加える。
この作品からシリーズはすべてカラーとなった。

シリーズ第4作
座頭市凶状旅
昭和38年(1963年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:田中徳三 
脚本:大塚稔・星川清司 
撮影:牧浦地志 
音楽:伊福部昭

出演:勝新太郎・高田美和・万里昌代
    成田純一郎・北城寿太郎・名和宏
 
上州・下仁田、市は投宿した旅篭の娘・のぶ子を助けて悪党どもをやっつける。前3作で、しがらみをすっかり取り払った座頭市に、この作品あたりからユーモラスなキャラクターが強調されてきた。

シリーズ第5作
座頭市喧嘩旅
昭和38年(1963年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:安田公義 
脚本:犬塚稔 
撮影:本多省三 
音楽:伊福部昭

出演:勝新太郎・藤村志保・島田竜三
    藤原礼子・丹羽又三郎
 
市は旅の途中、手ごめにしようとした若殿にケガを負わされて逃げている娘を救い、一緒に旅を続けるが、娘は悪党一味にさらわれてしまう。市は単身乗り込んで悪党一味を斬り、娘を救い出す。市と対決する強力なライバルがいないのは寂しい。


シリーズ第6作
座頭市千両首
昭和39年(1964年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:池広一夫  
脚本:浅井昭三郎・太田昭和 
撮影:宮川一夫 
音楽:斎藤一郎

出演:勝新太郎・坪内ミキ子・長谷川待子
    城健三朗・島田正吾
代官の陰謀で千両箱強奪事件の犯人という汚名を着せられた座頭市は、真相を解明し代官一味と用心棒の十四郎を斬る。城健三朗扮する用心棒が馬に乗り鞭を振り回して市と対決する、西部劇タッチのアクションは迫力十分。


シリーズ第7作
座頭市あばれ凧
昭和39年(1964年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:池広一夫 
脚本:犬塚稔 
撮影:竹村康和 
美術:西岡善信 
音楽:池野成

出演:勝新太郎・久保莱穂子・渚まゆみ
    五味龍太郎・遠藤辰雄・左卜全
甲州路に足を踏み入れた座頭市は、吃安こと武居の安五郎が代官と手を結び、津向の文吉の縄張りを狙っていることを知り、文吉に加勢して吃安一味を叩き斬る。
遠藤康雄が吃安に扮して好演。


シリーズ第8作
座頭市血笑旅
昭和39年(1964年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:三隅研次 
脚本:星川清司・吉田哲郎・松村正温 
撮影:牧浦地志
美術:内藤昭 
音楽:伊福部昭

出演:勝新太郎・高千穂ひづる・金子信雄
    加藤嘉・北城寿太郎・毛利郁子
5人組の殺し屋に狙われる座頭市は、自分の身代わりに殺された若い母親の赤ん坊を抱え、子守旅を続ける。5人組は好機とばかりに市に襲いかかり……。
市の居合いも三隅研次の演出も冴え、大ヒットを記録。


シリーズ第9作
座頭市関所破り
昭和39年(1964年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:安田公義 
脚本:浅井昭三郎 
撮影:本多省三 
音楽:小杉太一郎

出演:勝新太郎・高田実和・滝瑛子
    乎幹二朗・上田吉二郎
 
座頭市は、笠間の宿場町で悪代官とつるみ芸人たちから法外な場所代をむしり取る島村の甚兵衛を叩き斬る。
TV『三匹の侍』で人気上昇中だった平幹二朗が、悪玉側の用心棒役で座頭市と対決。


シリーズ第10作
座頭市二段斬り
昭和40年(1965年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:井上昭 
脚本:犬塚稔
撮影:森田富士郎 
美術:西岡善信 
音楽:伊福部昭

出演:勝新太郎・坪内ミキ子・三木のり平
    加藤武・春本富士夫
 
ヤクザ稼業に嫌気がさした座頭市だが、あんまの師匠・彦の市は、悪玉ヤクザ・辰五郎に殺されその娘のお小夜は女郎にされていた……。
三木のり平がコミカルな用心棒役で好演するが、加藤武の用心棒役はミス・キャストであった。


シリーズ第11作
座頭市逆手斬り
昭和40年(1965年) 大映京都
監督:森一生 
原作:子母沢寛 
脚本:浅井昭三郎 
撮影:今井ひろし 
美術:太田誠一 
音楽:大森盛太郎

出演:勝新太郎・藤山寛美・滝瑛子
    明星雅子・石山健二郎・島田竜三
 
座頭市は牢内で、老ヤクザ・島蔵から無実を証明してくれる親分を訪ねてくれるように頼まれる。牢を出た市は親分を訪ねるが、その親分こそ島蔵に罪を着せた張本人であった。藤山寛美がニセ座頭市に扮して場面をさらう。


シリーズ第12作
座頭市地獄旅
昭和40年(1965年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:三隅研次 
脚本:伊藤大輔 
撮影:牧浦地志 
美術:内藤昭 
音楽:伊福部昭

出演:勝新太郎・成田三樹夫・林千鶴
    岩崎加根子・丸井太郎・山本学
 
座頭市は父の仇を探して放浪の身の若侍とその妹を助けて、仇の浪人・十文字札を斬る。巨匠・伊藤大輔が脚色を担当しているだけに細かいいところに工夫が凝らされ、特に市と十文字が頭の中で将棋を指しながら対決の機会をうかがうシーンは、緊迫感がたっぷり。

シリーズ第13作
座頭市の歌が聞こえる
昭和41年(1966年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:田中徳三 
脚本:高岩肇 
撮影:宮川一夫 
美術:西岡善信 
音楽:伊福部昭

出演:勝新太郎・天知茂・小川真由美
    佐藤慶・浜村純・吉川満子
座頭市は一の宮で、町の人々を苦しめている坂鼻権造一家を叩きつぷし、浪人・黒部玄八郎と剣を合わせる。
第1作の平手造酒役で名演技をみせた天知茂が、黒部玄八郎役で再び座頭市と対決。


シリーズ第14作
座頭市海を渡る
昭和41年(1966年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:池広一夫 
脚本:新藤兼人 
撮影:武田千吉郎 
美術:西岡善信 
音楽:斎藤一郎

出演:勝新太郎・安田道代・五味龍太郎
    千波丈太郎・田中邦衛・井川比佐志
    三島雅夫
 
座頭市はこれまで斬った人々の菩提を弔うため、四国の札所めぐりを続けていたが、図らずも栄五郎という男を斬ってしまった。市は彼の妹・お青を訪ね、彼女の土地を狙う暴力ー家と闘う。


シリーズ第15作
座頭市鉄火旅
昭和42年(1967年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:安田公義 
脚本:笠原良三 
撮影:武田千吉郎 
美術:西岡善信 
音楽:斎藤一郎

出演:勝新太郎・藤村志保・東野英治郎
    青山良彦・水前寺清子・藤田まこと
    春川ますみ
 
例によって座頭市が、悪徳親分をこらしめるというストーリーだが、クライマックスの大殺陣で樽の中に入れられグルクル回された市が“盲にやまわる眼がねェ!”と啖呵をきって、樽の中から樽ごと敵を斬り捨てるという趣向は面白い。


シリーズ第16作
座頭市牢破り
昭和42年(1967年) 大映京都


製作:永田雅一 
原作:子母沢寛
監督:山本薩夫 
脚本:中島丈博・松本孝二・猿若清方 
撮影:宮川一夫 
美術:西岡善信 
音楽:池野成

出演:勝新太郎・三國連太郎・西村晃
    浜田ゆう子・細川俊之
 
任侠の鏡と惚れ込んだ博徒の親分・朝五郎の窮地を救うため、座頭市はヤクザ同士の喧嘩で岩村の冨造を切り凶状持ちとなった。百姓に味方する親分の人柄に惚れ冨造を切ったが、数ヵ月後に再会した朝五郎は鬼役人・管久四郎と悪政をして、百姓たちを苦しめる悪徳ヤクザになっていた。…‥。
三國連太郎が屈折したヤクザの親分役を巧演する。
「戦争と人間」(1970〜1973)、「不毛地帯」(1976)などで知られる巨匠・山本薩夫が演出にあたった一編。


シリーズ第17作
座頭市血煙り街道
昭和42年(1967年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:三隅研次 
脚本:笠原良三 
撮影:牧浦地志 
美術:下石坂成典 
音楽:伊福部昭

出演:勝新太郎・近衛十四郎・高田美和
    朝丘雪路・中尾ミエ・坪内ミキ子
    小池朝雄
座頭市は旅篭で病死した母親から、夫・庄吉のもとに息子を連れていくことを頼まれた。悪代官に監察されていた庄吉を助けた市は、公儀隠密の赤塚多十郎と対決する……。剣豪スターの近衛十四郎が、堂々たる風格をみせる。

シリーズ第18作
座頭市果し状
昭和43年(1968年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:安田公義 
脚本:直居欽哉 
撮影:宮川一夫 
美術:加藤茂 
音楽:大森盛太郎

出演:勝新太郎・野川由美子・三木本賀代
    待田京介・志村喬・小松方正
    千波丈太郎
 
座頭市はある宿場町で、医者の順庵と娘お志津を助けて悪玉ヤクザ・松五郎と対決する。市は深手を負いながらも松五郎一家と用心棒・弦八郎を倒すが、弦八郎は順庵の息子だった・…‥。
野川由美子がイキのいい姐御ぶりをみせる。


シリーズ第19作
座頭市喧嘩太鼓
昭和43年(1968年) 大映京都

原作:子母沢寛
監督:三隅研次 
脚本:猿若清方・杉浦久・吉田哲郎 
撮影:森田富士郎
美術:内藤昭 
音楽:池野成

出演:勝新太郎・三田佳子・佐藤允
    西村晃・藤岡琢也・ミヤコ蝶々
    戸浦六郎
 
ヤクザの熊吉への一宿一飯の義理から、やむなく若いヤクザ・宇之吉を斬った座頭市だが、熊吉の狙いが宇之吉の柿・お袖にあると知った市は、彼女を連れて逃げる。
佐藤允が市のライバル役で登場。


シリーズ第20作
座頭市と用心棒
昭和37年(1962年) 大映京都

製作:勝新太郎 
原作:子母沢寛
監督・脚本:岡本喜入 
脚本:吉田哲郎 
撮影:宮川一夫 
音楽:伊福部昭

出演:勝新太郎・三船敏郎・若尾文子
嵐寛寿郎・岸田森・滝沢修
座頭市=勝新太郎と用心棒=三船敏郎が世紀の対決をする岡本喜八監督による一篇。

蓮華沢の里に市が戻ってきた事を知った正五郎は、用心棒・佐々大作に市殺しを依頼する。
ストーリーそっちのけでふたりの対決が注目されたが、結果は予想どおり(?)引き分けに終わり観客をガッカリさせることに。ともあれこの記念すべき20作目は、シリーズ最大のヒットとなった。


シリーズ第21作
座頭市あばれ火祭り 
昭和45年(1970年) 勝プロ=大映京都

製作・脚本:勝新太郎 
原作:子母沢寛
監督:三隅研次 
脚本:山田隆之 
撮影:宮川一夫 
美術:西岡善信 
音楽:富田勲

出演:勝新太郎・仲代達矢・大原麗子
    ピーター・西村晃
 

ヤクザ組織の盲目の支配者に、座頭市が窮地に立たされてしまうシリーズ第21作。

関八州の裏社会を仕切る闇公方に怨みを買ってしまった市に、関東一円 いたるところに次々と剣客が襲いかかる。
アイデアマン・勝新太郎が、初めて正式に脚本に参加しているが、特に目新しい趣向は見られない。
市のライバル役の仲代達矢は、得意のギョロ目をむいてすごんでみせるものの、「椿三十郎」の時のような迫力はない。


シリーズ第22作
新座頭市・破れ!唐人剣 
昭和46年(1971年) 勝プロ=大映京都

製作:勝新太郎・西岡弘善 
原作:子母沢寛
監督・脚本:安田公義 
脚本:山田隆之 
撮影:牧浦地志 
美術:西岡善信 
音楽:富田勲

出演:勝新人郎・ジミー・ウォング(王羽)
    浜木綿子・南原宏治
座頭市と香港のアクション・スター、ジミー・ウォングとの対決をメインにした、安田公義監督によるシリーズ第22作。
ふとしたことから唐人剣士の王と知り合った座頭市は、懸賞金欲しさに王を狙う藤兵衛一家と闘うが、市を裏切り者と誤解した王を図らずも斬ってしまう。


シリーズ第23作
座頭市御用旅
昭和47年(1972年) 勝プロ


製作:勝新太郎・西岡弘善 
原作:子母沢寛
監督:森 一生 
脚本:直居欽哉 
撮影:森田富士郎 
美術:太田誠一 
音楽:村井邦彦/酒井修

出演:勝新太郎・森繁久禰・大谷直子
三國連太郎・高橋悦史・深江章喜
座頭市は旅の空で盗賊に襲われ死んだ母親の子を、父・佐大郎こ渡すべく塩原にやって来るが、佐太郎はおらず妹・八重に渡す。そこに札つきのヤクザ・鉄五郎が乗り込んできて八重の身体を狙い、座頭市を亡き者にしようとする‥‥・・。
監督は、「不知火検校」で当時、影の薄い二枚目俳優だった勝新太郎を、人間味あふれる魅力的な俳優として開花させた森一生。


シリーズ第24作
新座頭市物語・折れた杖
昭和47年(1972年) 勝プロ

製作:西岡弘善 
製作・監督:勝新太郎 
原作:子母沢寛 
脚本:犬塚稔 
撮影:森田富士郎 
美術:太田誠一 
音楽:村井邦彦

出演:勝新太郎・太地喜和子・中村賀津雄
    吉沢京子・高城丈二・小池朝雄
 
勝新太郎自らが監督。
偶然の事故で行きずりの老婆から形見の三味線を娘に届けるように頼まれた座頭市は、銚子の花街で女郎になっている娘を身請けしようとするが、地元の顔役に利き腕をつぶされてしまい・・…・。
勝新の演出はポルノ・シーンの挿入など、なかなかサービス精神旺盛である。


シリーズ第25作
新座頭市物語
笠間の血祭り
昭和48年(1973年) 勝プロ

製作:勝新太郎/西岡弘善 
原作:子母沢寛
監督:安田公義
脚本:服部佳子 
撮影:牧浦地志 
美術:太田誠一 
音楽:伊福部昭

出演:勝新太郎・十朱幸代・岡田英次
    佐藤慶・志村喬・横山リエ
 
久しぶりに生れ故郷の水戸の笠間に帰った座頭市は、幼馴染みの新兵衛に歓迎されるが、実はその新兵衛は百姓を苦しめる土地のヤクザと悪徳代官と組んで悪事のし放題。
堪忍袋の緒が切れた市は、新兵衛と代官を相手に大暴れする。
このあと、勝プロ製作によるTVシリーズが作られた。


シリーズ第26作
座頭市
昭和64年(1989年) 三倶=勝プロ


製作:塚本・ジューン・アダムス 
製作・監督・脚本:勝新太郎 
原作:子母沢寛 
脚本:中村努・市山達巳 
撮影:長沼六男 
美術:梅田千代夫 
音楽:渡辺敬之


出演:勝新太郎・緒形拳・樋口可面子
     陣内孝則・内田裕也・片岡鶴太郎
    奥村雄大

1973年の25作以来、TVシリーズ100本を間に挟み16年ぶりに座頭市を銀幕によみがえらせた、勝新太郎堂々の製作・監督・脚本・主演作品。
仕込み杖の居合い抜きはますます冴えわたり、市のキャラクターは、勝自身の年輪ととも
に一段と奥行き深いものとなった。助演陣もひと癖もふた癖もありそうな異色派俳優を多く起用している。
宿場町同士の血の抗争に巻き込まれた市は、自分を慕う少女を買っていった一味に怒り、両者を皆殺しにした後、いずこともなく去っていく。
脚本は撮影現場で始終手を加えられ、変更されていったのも勝演出らしい。市を想いつつ、ラストで彼に斬りかかる浪人を演じる緒形拳の好演も見逃せない。