銭形平次シリーズ


野村胡堂の原作を長谷川一夫主演で、映画化したシリーズ。
1949年の「平次八百八町」を第1作に、1961年の「銭形平次捕物控・美人鮫」まで、全18本が作られた。長谷川一夫扮する銭形平次が、次々に起こる難事件を助手の八五郎を足がわりにし、天才的な頭脳で解き明かしてゆく。作品としては今ひとつだが、山本富士子、香川京子といった綺麗ところの共演は楽しめる。
テレビでは大川橋蔵が長谷川一夫に比する当たり役にしたほか、大谷友右衛門、里見浩太朗(1963)などの版もある。


シリーズ第2作
銭形平次
昭和26年(1951年) 大映京都


製作:永田雅一
原作:野村胡堂
監督:森 一生
脚本:冬島泰三
撮影:牧田行正 
音楽:伊藤宣二
出演:長谷川一夫・三條美紀・長谷川裕見子・日高澄子
     佐々木小次郎・葉山富之輔

業平橋の下に千両箱を背負った男の死骸が浮かびかぴ、袂の手紙の切れ端から絵師の三浦蝶渓と判明する。平次は奉行所の書類を調査していくうちに、事件の裏に公金を奪って逃走中の6人組の強盗団が関係しているとにらむ。


シリーズ第5作
銭形平次捕物控
からくり屋敷
昭和28年(1953年) 大映京都

製作:永田雅一
原作:野村胡堂 
監督:森一生 
脚本:八尋不二 
撮影:杉山公平 
音楽:大久保徳二郎
出演:長谷川一夫・花菱アチヤコ・三浦光子
    霧立のぼる・入江たか子・丹下キヨ子

おなじみ長谷川一夫の平次と初代八五郎の花菱アチヤコが、怪しげな新宗教の教祖のまわりで起きる殺人事件を解決する。悪党に踊らされて、教祖にまつりあげられていたお琴を、平次が幼なじみだったことから、事件の解決後に叔父の住む故郷へ帰してやる、という人情的なオチがきいている。


シリーズ第7作
銭形平次捕物控
幽霊大名
昭和29年(1954年) 大映京都

製作:永田雅一
原作:野村胡堂 
監督:弘津三男 
脚本:八住利雄 
撮影:牧田行正 
美術:上里義三 
音楽:渡辺浦人

出演:長谷川一夫・市川電蔵・神代錦・井川邦子
    長谷川裕見子・村田知英子・中村玉緒・渡辺篤
    柳永二郎・沢村國太郎・香川良介


市川雷蔵のデビュー第2作で、雷蔵は善悪二役を演じている。辻斬りや娼婦誘拐事件が発生。平次が調べてみると、三万八千石の大名・金森頼錦の邸内が怪しいとわかる。金森家当主・万之助は病床に臥していて、その双子の弟・千之助が、悪業を重ねていた・・・…。中村玉緒の大映映画デビュー作でもある。


シリーズ第10作
銭形平次捕物控
人肌蜘蛛
昭和31年(1956年) 大映京都


製作:永田雅一
原作:野村胡堂 
監督:森一生 
脚本:小国英雄 
撮影:杉山公平
出演:長谷川一夫・山本富士子・市川雷蔵
     矢島ひろ子・東野英治郎

3年前、材木買い占めの罪を上総屋と尾張藩にきせられた新吉が流刑地から脱走した。一方、新吉の弟・新次郎が兄を捜しに江戸へ出てきたが、彼は上総屋の娘と恋におちる。その時から謎の連続殺人事件が始まったのだが…‥・。


シリーズ第11作
銭形平次捕物控
まだら蛇
昭和32年(1957年) 大映京都

製作:永田雅一
原作:野村胡堂 
監督:加戸 敏 
脚本:伊藤大輔
撮影:牧田行正 
音楽:米山正夫
出演:長谷川一夫・山本富士子・木暮実千代
    美空ひばり・堺駿二・黒川弥太郎

元火付け盗賊の大沼は、悪商人、勘定奉行らの仲間とニセ小判を作ってひともうけしようと企む。その手口は悪零ラツで、鍛冶屋のノドを潰してから地下工場へ無理やり連れこんで作らせるというものだった。平次は女船頭の小吉と協力して悪党どもをやっつける。山本富士子・木暮実千代・美空ひばりと3人の個性の違う美女が競演し、特にひばりの若衆姿は美しい。


シリーズ第13作
銭形平次捕物控
八人の花嫁
昭和33年(1958年) 大映京都

製作:永田雅一
原作:野村胡堂
監督:田坂勝彦 
脚本:伊藤大輔 
撮影:牧田行正 
音楽:鈴木静一

出演:長谷川一夫・山本富士子・榎本健一
    八千草薫・川上康子・黒川弥太郎

初のシネスコ版。
江戸、洲崎五万坪の埋立地に、八竜王の杜が建立されることになり、その落慶式に8人の小町娘が選ばれるが、娘たちが相次いで殺される。平次はガラッ八を引き連れ捜査に乗り出す。榎本健一がガラッ八に扮した。


シリーズ第18作
銭形平次捕物控
美人鮫
昭和36年(1961年) 大映京都

製作:永田雅一
原作:野村胡堂 
監督:三隅研次 
脚本:浅井昭三郎 
撮影:本多省三 
音楽:鈴木静一
出演:長谷川一夫・船越英二・近藤美恵子
     宇治みさ子・阿井美千子・嵐三右衛門

武蔵屋の娘が殺された事件を追っていた平次は、妙照寺の尼僧が怪しいとにらみ調べるが、彼女も殺され、平次たちは寺社奉行に捕まってしまう。しかし麻薬撲滅に動いていた南町奉行のお陰で無事脱出し、長崎へ。そこで平次は、殺された娘が麻薬と交換に売られた娘だと知る・・…・。


その他の作品:
  第 1作 「平次八百八町」(1949)
  第 9作 「銭形平次・恋文道中」(1952)
  第 4作 「銭形平次捕物控・地獄の門」(1952)
  第 6作 「同・金色の狼」(1953)
  第 8作 「同・どくろ駕籠」(1955)
  第 9作 「同・死美人風呂」(1956)
  第12作 「同・女狐屋敷」(1957)
  第14作 「同・鬼火灯篭」(1958)
  第15作 「同・雪女の足跡」(1958)
  第16作 「同・美人蜘蛛」(1960)
  第17作 「同・夜のえんま帳」(1961)

                     
                  (ぴあシネマクラブ日本映画編2002〜2003より)